XFree86 3.1.1 インストールガイド

David Dawes
1995 年 1 月 15 日

目次:

  1. XFree86 の作成
  2. XFree86 の使用法と構築
  3. ソース配付物からのサーバーの再構築
  4. バイナリ配付物からのサーバーの再構築


  1. XFree86 の作成
  2. 注意: XFree86 を作成しようとする前に特定の OS 固有の README ファイル を参照して下さい。これらのファイルには個々の OS の環境の下でうまく XFree86 を作成するのに必要な追加情報が含まれています。

    GCC-2 を使って XFree86 を作成する事を強くお勧めします。バージョン 2.6.0 又は 2.4.x 等 2.4.5 以前の物はバグのため作成や実行が失敗するので使用しな いで下さい。殆どの XFree86 3.1.1 バイナリキットは GCC 2.4.5, 2.5.8 又は 2.6.3 を使用して作成されています。GCC の -m486 オプションを使えば、486 で 約 5% 性能を向上させることができるでしょう。より大きなバイナリは別として、 386 でも性能は悪くはなりません。( gcc-2 は prep.ai.mit.edu と他の GNU ソースを置いているサイトにあります。)

    1. 次の物が必要です:

      • fixes 01 から 11 のパッチを当てた X コンソーシアム X11R6 の配付物。

      • XFree86-3.1.1.diff.gz

      • XFree86-contrib-3.1.1.diff.gz (いくつかの X コンソーシアムの ``寄贈'' 配付物への追加パッチ)

      • XFree86-contrib-3.1.diff.gz (いくつかの X コンソーシアムの"寄贈" 配付物への追加パッチ)

      • XFree86 バージョン 3.1 から 更新する場合は、 3.1-3.1.1.diff1.gz と 3.1-3.1.1.diff2.gz のパッチのみと contrib-3.1-3.1.1.diff.gz が任意で必要です。

      • 全ての XFree86 ソースから作成すると約110MB の空きディスク容量が必 要です。全部作成するには 110MB( OS の共用ライブラリを使用しない 時)追加容量が必要です。全ての配付物を導入するには(共用ライブラ リを使用した場合)約 45 から 55MBの空きディスク容量が必要です。作 成作業に重要でない部分を削除することで、それぞれ次のディスク容 量を削減出来ます。:
        
                      xc/test                      13MB
                      xc/doc/hardcopy               8MB
                      xc/doc/specs                 11MB
        
        
        フォントを作成する必要がない時は、xc/fonts を削除することで 30MB 節約できます。PEX 又は XIE を作成したくない時は、それらを削除するこ とで、それぞれ次のディスク容量を削減出来ます。:
                      xc/programs/Xserver/XIE       3MB
                      xc/programs/Xserver/PEX5      2MB
        
        
        xc/programs/Xserver/hw/以下の不必要なディレクトリを削除すれば、 も う数 MB 開放出来ます。

      • XFree86 サーバーの作成に限った場合、切り詰めたソースツリーを構成 することが出来ます。このソースツリーを作成するには 40 から 45MB のディスクに空きが必要です。切り詰める為のファイルやディレクトリ は ServersOnly ファイルに一覧になっています( xc/programs/Xserver/hw/XFree86/doc/ に見つかるでしょう)。

      • XFree86-3.1.1-contrib.diff.gz のパッチファイルは X コンソーシアム の寄贈配付物のごく一部へのパッチを提供します。これは X11R5 のコア 配付物のクライアントの殆どに適用しますが、X11R6 の寄贈配付物へ移 動するものではありません。このパッチファイルを適用すると、次の X コンソーシアムの寄贈版の(初版の contrib-0 バージョンではなく)最終 版のファイル/ディレクトリが必要になります。:
        contrib/Imakefile contrib/programs/Imakefile contrib/programs/ico/ contrib/programs/listres/ contrib/programs/showfont/ contrib/programs/viewres/ contrib/programs/xbiff/ contrib/programs/xcalc/ contrib/programs/xditview/ contrib/programs/xedit/ contrib/programs/xev/ contrib/programs/xeyes/ contrib/programs/xfontsel/ contrib/programs/xgc/ contrib/programs/xload/ contrib/programs/xman/ contrib/programs/xmessage/
      • 標準的な X コンソーシアムのパッチレベル 11 配付物から始める場合は、 'xc'ディレクトリに移動して次のコマンドを実行して下さい。:

        gzip -d < XFree86-3.1.1.diff.gz | patch -p -E

        変更していないソースからインストールする場合は、問題は何もないでしょう。 パッチの後にパッチが却下された結果( rejection )とパッチの分析結果( resolve )を調べましょう。いくつかのファイル(例えば xf86site.cf や site.def )を変更した場合は、それらのファイル名を変えて、パッチする前の 提供した状態に戻しましょう。元のバックアップを持っていない場合は、個々 のファイルは ftp.x.org の /pub/R6untarred ディレクトリ (ftp://ftp.x.org/pub/R6untarred) から容易に手に入れられるでしょう。

        もし以前に使用していたソースにパッチを当てる場合は、差分ファイルを適用す る前に xc ディレクトリから ``make clean'' を忘れずに実行してください。

        寄贈部分にパッチするならば、contrib ディレクトリへ移動して、 次の操作を実行しましょう:

        gzip -d < XFree86-3.1.1-contrib-diff.gz | patch -p -E

      • XFree86 3.1 配付物から始めるならば、xc ディレクトリへ移動して、 次の操作を実行しましょう:

        gzip -d < 3.1-3.1.1.diff1.gz | patch -p -E
        gzip -d < 3.1-3.1.1.diff2.gz | patch -p -E

        変更していないソースからインストールする場合は、問題は何もないでしょう。 パッチの後にパッチが却下された結果( rejection )とパッチの分析結果( resolve )を調べましょう。いくつかのファイル(例えば xf86site.cf や site.def )を変更した場合は、それらのファイル名を変えて、パッチする前の 提供した状態に戻しましょう。元のバックアップを持っていない場合は、バー ジョン 3.1.1 の個々のファイルは ftp.xfree86.org:/pub/XFree86/3.1.1/untarred (ftp://ftp.xfree86.org/pub/XFree86/3.1.1/untarred) から容易に手に入れら れるでしょう。

        もし以前に使用していたソースにパッチを当てる場合は、差分ファイルを適用す る前に xc ディレクトリから ``make clean'' を忘れずに実行してください。

        寄贈部分にパッチするならば、contrib ディレクトリへ移動して、 次の操作を実行しましょう:

        gzip -d < contrib-3.1-3.1.1-diff.gz | patch -p -E

      • config/cf/xf86site.def を通読してください。自分の構成に合わせて様々 なパラメータを設定しましょう。初めての作成の場合は、BuildFonts 、 InstallXdmConfig 、InstallXinitConfig を YES に設定しましょう。(フ ォントサーバーを作成する場合は、同様に InstallFSConfig を YES にしま しょう)

        サーバーだけを作成するために切り詰めたソースツリーを使うときは BuildServersOnly を YES に設定しましょう。

        作成したいサーバーを指定するには、 次の定義を設定しましょう:

        
        
        
        
                   Colour SVGA server (XF86_SVGA):           XF86SVGAServer
                   16 colour (S)VGA server (XF86_VGA16):     XF86VGA16Server
                   ET4000/W32 accelerated server (XF86_W32): XF86W32Server
                   Monochrome server  (XF86_Mono):           XF86MonoServer
                   S3 accelerated server (XF86_S3):          XF86S3Server
                   8514/A accelerated server (XF86_8514):    XF86I8514Server
                   Mach8 accelerated server (XF86_Mach8):    XF86Mach8Server
                   Mach32 accelerated server (XF86_Mach32):  XF86Mach32Server
                   Mach64 accelerated server (XF86_Mach64):  XF86Mach64Server
                   P9000 accelerated server (XF86_P9000):    XF86P9000Server
                   AGX accelerated server (XF86_AGX):        XF86AGXServer
        
        

        双頭の Mono+VGA2 サーバーを作成するには, XF86MonoDualServer を YES に しましょう。

        双頭の Mono+VGA16 サーバーを作成するには, XF86VGA16DualServer を YES にしましょう。

        X にリンクを張りたいサーバーを ServerToInstall に設定して下さい。これが 指定されないと上記、サーバーの一覧の最初の物が初期値になって作成されま す。

        サーバーに含めたいと希望しているドライバーも xf86site.def の中で選択し ます。SVGA サーバー対応のドライバーは XF86SvgaDrivers パラメタで指定し ます。これはドライバディレクトリの一覧表形式で、小文字で書きます。パラ メタの指定順序で起動時に探査を行います。全ての提供されてるドライバは初 期値で設定されます。あとに続く、パラメタが指定するドライバも同様です:

        
        
        
        
                   XF86Vga16Drivers            XF86_VGA16
                   XF86Vga2Drivers             XF86_Mono (vga2 drivers)
                   XF86MonoDrivers             XF86_Mono, XF86_VGA16 (other mono 
                                                                         drivers)
        
        

        SVGA, VGA16 と VGA2 画面はそれぞれ、汎用(``generic'')ドライバーに含まれ、 これらはどんな VGA カードでも探査に成功するので、常に一覧の最後に置くよ うにします。

      • (現在 LinuxDoc/SGML の下にある書式に)XFree86 のドキュメントを整形 したい場合、ftp.xfree86.org:/pub/XFree86/3.1.1/Linuxdoc (ftp://ftp.xfree86.org/pub/XFree86/3.1.1/Linuxdoc) にある linuxdoc-sgml-1.1.tar.gz を手に入れて組み込んで下さい。xf86site.def ファイルを確認して適当に Linuxdoc のオプションを編集して下さい。

      • 配付物から生成する前に、xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc にあるあ なたの環境に関連した OS 固有の READMEファイルを良く読むことが大切で す。これまでも、これらの OS 固有の詳細マニュアルの手入れをしてきまし た。xc ディレクトリへ移動して、そして OS 固有の README ファイルに記 述してあるように設定した BOOTSTRAPCFLAGS を付けて ``make World'' を 実行して下さい。

      • 全て順調に行われた場合に、構成に因りますがシステム生成は 2 時間から 12 時間位掛かるでしょう。何か問題が無かったか World.log を確認してく ださい。何もなければ、``make install'' と ``make install.man'' を実 行することができます。インストール出来るだけの十分な空きディスク容量 が、/usr/X11R6 にあることを確認しましょう。/usr 以外の場所に組み込み たい場合は、組み込む前に /usr/X11R6 にシンボリックリンクを張りましょ う。

        バイナリリンクキットを( /usr/X11R6/lib/Server に)組み込む時は、次 を実行しましょう。:

        make install.linkkit

      • XFree86 でサポートしている寄贈版のサブセットを作成するときは、最初に 作成して導入したコア配付物を確認して下さい。そして、contrib ディレク トリへ移動して、``xmkmf -a; make'' を実行して下さい。その時、``make install'' と ``make install.man'' が実行できれば導入は完了します。


  3. XFree86 の使用法と構築
    1. PATH 環境変数 に /usr/X11R6/bin を、 MANPATH 環境変数に /usr/X11R6/man を追加しましょう。

    2. XF86Config ファイルを設定しましょう。このファイルの初期位置は /etc/XF86Config, /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.<ホスト名>, と /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config にあります。サンプルファイルが /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config.eg に組み込まれていますので、これから 始めるのが良いでしょう。xf86config ユーティリティも XF86Config ファ イルを作成するのに役に立ちます。

      XF86Config の書式について詳しくは、XF86Config のオンラインマニュアル (4章/5章) を参照しましょう。

    3. xinit で ${HOME}/.xserverrc ファイルを使う場合は、サーバーを実行して いるスクリプトを確認しましょう(例えば 単に ``/usr/X11R6/bin/XF86_SVGA'' を実行するよりも``exec /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA'' を実行するのがよいでしょう)。これをしな い場合は、最後のクライアントが終了する時にサーバーを終了しないように しましょう。


  4. ソース配付物からのサーバーの再構築
  5. 色々なサーバー又は色々なドライバーの組み合わせのサーバーを作成する場合は:

    1. 新しいドライバー対応のソースが正しい場所にあることを確認して下さい (例えば、SVGA サーバー対応ソースは xc/programs/Xserver/hw/xfree86/vga256/drivers と言うサブディレクトリ にあります)。

    2. サーバーの定義(例えば、上記で述べた XF86SVGAServer )は、 xf86site.def を使って作成したいサーバーを指定して設定しましょう。ま た、ドライバー一覧を必要に応じて変更しましょう。

    3. xc/programs/Xserver から次のコマンドを実行しましょう:

      make Makefile
      make Makefiles
      make depend
      make


  6. バイナリ配付物からのサーバーの再構築
  7. サーバーのバイナリリンクキットを組み込むと、サーバー内のドライバとサーバー の機能拡張の再構築が可能になります。再構築を如何に行うかの詳細は、 README.LinkKit (LinkKit.html) を参照してください。

$XConsortium: INSTALL.sgml,v 1.4 95/01/27 16:14:24 kaleb Exp $
Generated from XFree86: xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc/sgml/INSTALL.sgml,v 3.7 1995/01/30 03:37:10 dawes Exp $


このファイルは Generated from XFree86: xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc/ sgml/INSTALL.sgml,v 3.7 1995/01/30 03:37:10 dawes Exp $ を、 岡本 一幸 ( Kazuyuki Okamoto ) が XFree86 3.1.1 を日本でインストールする人向けに翻訳 したものです。 ここがおかしいとか、 ここはこうしたほうがいいといったご意見が ありましたら、 電子メールでお知らせ下さい。
原文の著作権は XFree86 プロジェクト社にあります。 この和訳の著作権は XFree86 プロジェクト社と 岡本 一幸 にありますが、 この和訳の不具合は私に、 電子メールで送って下さい。

注: 岡本さんは現在電子メールで連絡が付かない状態なので、連絡は X Japanese Documentation Project (xjman-ml@dsl.gr.jp) 宛にお願いします。

$XFree86: XFree86-INSTALL.sjs,v 0.9 1995/04/26 18:35:40 ikko- Exp $