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4. XFree86 を動作させるには

XFree86 を動作させるためには 4MB の仮想メモリが必要ですが、快適に動作させ る最小の環境としては、多分 8MB の実記憶があったほうがいいでしょう。386 プ ロセッサにとって 387 コプロセッサは、有効ですが、物理的なメモリを増設した ほうが対話処理の速度は格段に向上します。また、高速なグラフィックカード、バ スまたはメモリがサーバーの性能を向上させるでしょう。

tar ファイルを展開したら、/etc/ld.so.conf の中か(初期値によって既にそう定 義されているはずです)、LD_LIBRARY_PATH 環境変数の中に /usr/X11R6/lib を定 義する必要があります。また、構成定義ファイルである README.Config を指針とし、XF86Config.eg を例題にして /etc/XF86Config または /usr/X11R6/lib/X11/XF86Configを ホストの構成を正確に記入しなければなりません。間違った XF86Config を使うとハードウェアを痛める場合があるので、 良く文章を読んで下さい。 特にオンラインマニュアルと /usr/X11R6/lib/X11/doc にあるその他の README ファイルを良く読んで下さい。

XFree86-3.1.2F からはじめるならば配布物に入っている新しい設定ユーティリティ である XF86Setup があります。XF86Config を設定する このツールを使用することをお勧めします。適切な文書をお読みください。

XFree86 は、X サーバーとの間で双方向に仮想端末 (VT) 切り替え(サーバーから 仮想端末へ、仮想端末からサーバーへ切り替える)をする機能があります。初めて 起動するときは、XFree86 が、先ず仮想端末(使用可能な他のプロセスに開かれて いないもの)を自動的に探して、その仮想端末で起動します。その仮想端末が使用 不可の場合、エラーメッセージを出して XFree86 は終了するでしょう。 ``vt<nn>'' というオプションを付けることによって、サーバーを指定する仮想端 末で実行させることができます。ここで <nn> は使用可能な仮想端末番号(1 から 始まります)です。空いている仮想端末がないときは、XFree86 は起動不能です。 include/linux/tty.h の中の NR_CONSOLES の数を増やしてカーネルをコンパイル すれば、使用可能な仮想端末の数を増やすことができます。

一旦、XFree86 が動作してしまえば、コントロールキー <Ctrl> とオルタネイトキ ー <Alt> とファンクションキー <Fnn> を同時に押すことで、他の仮想端末に切り 替えられます。ここの nn は切り替えたい仮想端末番号です。XFree86 サーバーに 戻すときは、サーバーが標準で使っている仮想端末番号を表わす正しいキーの組み 合わせを押しましょう。正しいキーの組み合わせとは、オルタネイトキー <Alt> とファンクションキー <Fmm> です。ここで、mm はサーバーが動いている仮想端末 の番号です。(この番号はサーバーが起動するときに表示されます。)既に起動し ているサーバーから起動した仮想端末ではないことに注意して下さい。

注意: kbd-0.81.tar.gz 以降のバージョンの中にある `loadkeys' コマンドで、テ キストモードのキー割当を再定義できます。これを使えば、例えば、コントロール キー <Ctrl> とオルタネイトキー <Alt> とファンクションキー <Fmm> を同時に使 用して X サーバー下から移動するのと同じようなキー操作で、仮想端末のテキス トモードから、移動する事が出来ます。

サーバーを終了させるとサーバーを起動した仮想端末に戻りますが、もしサーバー を起動した仮想端末が死んでしまったときは、手動で戻さなければなりません。 XFree86 からテキストモードに戻る時に、未だ画面の回復に問題があるのは、グラ フィックカードとマザーボードの相性が悪いのだと思われます。こんな時は、 svgalib という配付物に入っている runx というスクリプトを実行すれば、解消で きるでしょう。

起動時に、XFree86 サーバーはカーネルに対してキー割り付けを獲得することを要 求します。この割り付けはカーネルをコンパイルしたとき設定される初期値かまた は、`loadkeys' ユーティリティによって書き替えた値になります。サーバーでは、 カーネルに依存したもの、複数のキー組み合わせや無効なキーは割り付け出来ませ ん。その他のキーは X 共通に変換されます。X サーバーはシフトしてない状態、 シフト状態、モードスイッチを押していない状態と、モードスイッチを押している 状態の4種類しか変換テーブルを持っていないことに注意して下さい。モードスイ ッチがどんなキーかによります(これは XF86Config で設定可能です。初期値はオ ルタネイトキー <Alt> です。)が、XFree86 はキーマップの中に変換テーブルを 読み込みます。この事は、Linux のモードスイッチに左コントロールキーの様な特 定のキーを割り当てられない事を意味します。

構成によっては、調子が悪くなって修正しなければならないことがあるでしょう。 過去に、Linux の xload コマンドが、動作中のカーネルから、負荷平均を取り出 すのに BSD の方法を使った事があります。XFree86-1.3 版では、カーネルの将来 の版での互換性を考慮して、動作中のカーネルから負荷平均を取り出す代わりに、 /proc/loadavg から取り出す方法に変えました。Xman も BSD の nroff ファミリ ーの代わりに GNU groff ファミリーをサポートするように変更されました。ちょ っと編集して再コンパイルすれば従来の BDS の nroff の方をサポートするように 戻せます。クライアントに、仮想端末で動作していたのと同等なより良いコンソー ル切り替えを提供するために、 /dev/console/dev/tty0 の所有権と共にサー バーが変更されましたが、そのために root の setuid 属性を付けなければならな くなりました。同様に、xtermxconsole にも root の setuid 属性を付ける必 要があります。xconsole は root の setuid 属性を付けて動作するようには設計 されてないので、これは安全上、大きな問題が生じると思われます。


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