startx スクリプトはxinit へのフロントエンドであり、X ウィ ンドウシステムの1セッションを行うための多少わかりやすいユーザインタフェー スを提供する。通常は引き数は付けないで実行する。
重要な例外の1つは異なる色の深さを選択する場合である。この場合にはサー バに引き数を渡すので、オプションの前には `--' を付けなければならない(この引き数の詳細についてはオンラインマニュアルの xinit(1) を参照すること)。サーバを16bpp で起動するためには次のコマンドを実行す る。
startx -- -bpp 16
実行するクライアントを決めるため、 startx は最初にユーザのホームディレクトリにある .xinitrc ファイルを参照する。このファイルがない場合には、ライブラリディレクトリ xinit にある xinitrc ファイルが使われる。 コマンド行でクライアントのオプションが指定されている場合には、そち らが優先される。 実行するXサーバを決めるため、 startx は最初にユーザのホームディレクトリの .xserverrc ファイルを参照する。このファイルがない場合には、 xinit のライブラリのディレクトリにある xserverrc ファイルが使用される。 コマンド行でサーバのオプションが指定された場合には、そちらが優先さ れる。通常は、ユーザが .xserverrc を用意する必要はほとんどない。 引き数の詳細については、マニュアルページの xinit(1) を参照すること。
.xinitrc は通常、ユーザの好みにしたがってクライアントを起動するスクリプトである。 このシェルスクリプトが終了すると startx はサーバを終了させ、必要とされるその他のセッションの終了処理を行う。 .xinitrc から起動されるクライアントのほとんどはバックグラウンドで実行しなければ ならない。フォアグラウンドで実行するのは最後のクライアントだけであり、 このクライアントが終了したときにセッションが終了する。この「特殊な」ク ライアントとしては、セッションマネージャ、ウィンドウマネージャ、 xterm がよく使われる。
複数のクライアントを起動し、「最後の」アプリケーションとしてウィンドウ マネージャを動作させる .xinitrc の例を以下に挙げる。ウィンドウ マネージャの設定が適切であるものとすると、ユーザがメニューで「終了」を 選択すれば X が終了する。
xrdb -load $HOME/.Xresources xsetroot -solid gray & xbiff -geometry -430+5 & oclock -geometry 75x75-0-0 & xload -geometry -80-0 & xterm -geometry +0+60 -ls & xterm -geometry +0-100 & xconsole -geometry -0+0 -fn 5x7 & exec twm