xcalc には、X ツールキットの標準コマンド行オプションに加えて、 以下のオプションを指定できる:
電卓のポインタ操作 電卓の操作はポインタのボタン1と(場合によっては)キーボードを使って行う ことができる。 共通の電卓の操作にはキーボードアクセラレータがある。 例えば、アプリケーションを終了するためには、ポインタボタン3でAC キー (TI モード)または ON キー(HP モード)をクリックする。
電卓のキー操作(TI モード): 数値キー、+/- キー、+, -, *, /, = キーは文字通りの動作を行う。ただし、 演算子の優先順位は無視される点に注意すること。従って、"3+4*5=" と入力 した結果は "35" ではなく "21" である。これを防ぐためには括弧を使う。例 えば、"(1+2+3)*(4+5+6)=" の結果は "6*15=90" となる。
電卓の表示部分の数値は全てセレクションの対象にすることができ、計算結果 を文書に貼り付けることができる。
各機能に対応するアクション手続きを以下に示す。これらは電卓をカスタマイ ズしようとするときに便利である。 全ての数字キーに対するアクションは digit(n) である。 ここで n は数字キーに対応する数値で、0..9 となる。
電卓のキーの使用方法(RPN モード): 数値キー、CHS (符号反転), +, -, *, /, ENTR キーは文字通りの機能である。 残りのキーの多くは TI モードと同じ機能である。違う部分を以下に述べる。 ENTR キーに対するアクション手続きは enter() である。
最後に、追加のアクション手続きが2つある。 これは、ベルをならす bell() と、電卓の「液晶」ディスプレイの数値 全体をカットを行う selection() である。
アクセラレータはコマンド入力のショートカットである。xcalc にはサ ンプルのキーボードアクセラレータがいくつかおり、ユーザはアクセラレータ をカスタマイズすることもできる。 xcalc が持っている数値キーのアクセラレータは直観的に正しいはずで ある。 xcalc がメインのキーボードに対して定義しているアクセラレータは以 下である:
TI キー HP キー キーボードアクセラレータ TI 関数 HP 関数
SQRT SQRT r squareRoot() squareRoot()
AC ON スペース clear() clear()
AC <- Delete clear() back()
AC <- Backspace clear() back()
AC <- Control-H clear() back()
AC Clear clear()
AC ON q quit() quit()
AC ON Control-C quit() quit()
INV i i inverse() inverse()
sin s s sine() sine()
cos c c cosine() cosine()
tan t t tangent() tangent()
DRG DRG d degree() degree()
e e e()
ln ln l naturalLog() naturalLog()
y^x y^x ^ power() power()
PI PI p pi() pi()
x! x! ! factorial() factorial()
( ( leftParen()
) ) rightParen()
/ / / divide() divide()
* * * multiply() multiply()
- - - subtract() subtract()
+ + + add() add()
= = equal()
0..9 0..9 0..9 digit() digit()
. . . decimal() decimal()
+/- CHS n negate() negate()
x:y x XexchangeY()
ENTR Return enter()
ENTR Linefeed enter()
xcalc は大きなアプリケーションデフォルトファイルを持つ。このファ イルでは位置、ラベル、電卓のそれぞれのキーの機能が指定されている。 このファイルでは、キーボードアクセラレータを与えるトランスレーションも 定義されている。 これらのリソースはアプリケーションのソースコード内では指定されていない ので、自分専用のアプリケーションデフォルトファイルを書くことによって、 カスタマイズした電卓を作ることができる。このデフォルトファイルでは Athena ウィジェットセットの Command および Form ウィジェットのリソース を使ってボタンのサイズと位置、各ボタンのラベル、各ボタンのキーを指定す る。
電卓の各キーの前景色と背景色は独立に指定することができる。 TI 電卓の場合には、色について昔から使われているリソース指定は次のよう になっている:
XCalc.ti.Command.background: gray50
XCalc.ti.Command.foreground: white
ボタン 20, 25, 30, 35, 40 に対しては次の指定がなされている:
XCalc.ti.button20.background: black
XCalc.ti.button20.foreground: white
ボタン 22, 23, 24, 27, 28, 29, 32, 33, 34, 37, 38, 39 に対しては次の指
定がなされている:
XCalc.ti.button22.background: white
XCalc.ti.button22.foreground: black
XCalc xcalc
Form ti or hp (名前はモードに依存)
Form bevel
Form screen
Label M
Toggle LCD
Label INV
Label DEG
Label RAD
Label GRAD
Label P
Command button1
Command button2
Command button3
(中略)
Command button38
Command button39
Command button40
*customization: -color
これにより、xcalc は配色カスタマイズ用の app-default ファイル(
<XRoot>/lib/X11/app-defaults/XCalc-color)で指定された配色を使う。
HP モード: バグレポートによると、5, ENTER, <- というキーシーケンスで表 示がクリアされるはずなのに、実際にはクリアされないということである。