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9. 新しい S3 SVGA ドライバ

XF86_SVGA サーバには、ViRGE S3 でないチップセット用の実験的な新しい S3 ドライバがあります。このドライバの質は本当にアルファ版程度で、テストも 十分ではなく、問題もいくつか明らかになっています。そのため、設定プログ ラムはこちらのサーバではなく、XF86_S3 サーバをインストールするようになっ ています。しかし、冒険好きな人や XF86_S3 で問題に出会った人はこのドラ イバを試してもよいかもしれません。

このドライバには汎用 S3 サポートが含まれており、ViRGE S3 でないチップ 全てで(理屈の上では)動作するはずです。このドライバでは、S3 の新しい形 式のメモリマップト I/O に対応しているチップのサポートが改良されていま す。そのチップには 868, 968, 最近の Trio64 系チップ(古い無印 Trio64 は 除く)が含まれます。新しいスタイルのメモリマップト I/O を使う機能を持っ ているチップは自動的にこの機能を用います。オプション "NO_MMIO" を使う と、この機能を無効にすることができます。

新しい形式のメモリマップト I/O を使うチップの性能は、(特に PCI バスの 場合)XF86_S3 よりも良いことが期待できます。しかし、メモリマップト I/O を使わない時の性能は、XF86_S3 とだいたい同じくらいと考えられます(速い 分野もありますし、遅い分野もあります)。

XF86_S3 で利用可能な色の深さは全て、このドライバでも使うことができるは ずです。加えて、868 と 968 では packed 24bpp も「まあまあ」動作します。 結果はやってみなければわかりません。

XF86_S3 がサポートしているほとんど全てのオプションと機能は、このドライ バでもサポートしています。加えて、XAA/SVGA サーバ標準オプション (NO_ACCEL, SW_CURSOR, NO_PIXMAP_CACHE 等)もサポートしています。このド ライバがサポートしていない XF86_S3 の機能は、DPMS サポートとガンマ補正 です。

メモリマップト I/O と PCI カードを使っている時は、ドライバは PCI_RETRY オプションをサポートします。このオプションを使うと一部の操作の性能が大 幅に向上しますが、バスの帯域が食い潰されやすくなります。この理由により、 このオプションはデフォルトでは設定されていません。大抵のハードウェア構 成では、このオプションが問題を起こすことはありませんが、一部のハードウェ アでは激しいグラフィック操作を行うとサウンドカードが不調になるという報 告があります。

このドライバには 1つ致命的な欠点があります。使用メモリを間違って報告す る一部の S3 製 PCI BIOS に対処する方法をドライバが持っていないのです。 この問題はアドレス空間の衝突を起こすことがあります。読者の皆さんのハー ドウェアでこの問題に出会ったら、一度 XF86_S3 サーバを実行し、カードが 再配置された先のアドレスを(サーバが出力したように)記録してください。そ れから XF86Config の MemBase フィールドを使って、サーバがこのアドレス を使うように指定します(オンラインマニュアルの XF86Config を参照してく ださい)。

$XFree86: xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc/Japanese/sgml/S3.sgml,v 3.2.2.3 1999/11/26 15:23:49 hohndel Exp $





$XConsortium: S3.sgml /main/14 1996/02/21 17:45:58 kaleb $


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