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8. XF86Config ファイルの全体に関するオプション

以下のオプションは Tseng ドライバのためのものです。各オプションは、 XF86Config ファイル内の svga ドライバのセクションに ある、オプションが適用できる色の深さの Screen サブセクション で指定しなければなりません(Device セクションで指定すれば、全ての色の深 さにおいてオプションを有効にすることができます)。

Option "noaccel"

(ET4000W32p, et6000) このオプションはアクセラレーション機能を無効にします。これにより、DRAM のタイミングや高いドットクロック値、アクセラレーション機能のバグに関連 する問題が解決することが多いのですが、性能が犠牲になってしまいます(ロー カルバスや PCI バスではそれでも十分でしょう)。このオプションはアクセラ レーションがサポートされているチップに対してのみ有効です。

Option "fast_dram" "slow_dram"

このオプションは、特定のカードの DRAM のスピードを設定します。カードは DRAM のスピードの設定ができるものでなければなりません。

"slow_dram" オプションは ET4000 と ET4000W32 では常に有効にさ れます。有効になっている場合、DRAM のタイミングは遅くなり、メ モリ関連の問題をいくらか避けることができます。起動時に画面が真っ 暗になる(システムがハングすることもあります)カードでは、このオ プションが必要かもしれません。 "fast_dram" オプションは、ドライバに DRAM のタイミングを速く させます。これによっても画面関係の問題(筋、縞、ゴミ等)が直るこ とがあります。これらの問題をひどくすることもあります。 一般的に、これらのオプションは危険です。サーバを起動した途端にマシンを クラッシュさせることもあります。注意して使ってください。

option "w32_interleave_off" "w32_interleave_on" (W32i, W32p)

メモリインタリーブのオン/オフを指定します。W32i と W32p チップでは、 ビデオメモリが 2MB 以上ある場合にメモリのバンド幅が広くなります。通常、 VGA BIOS は W32i と W32p を正しいモードに設定します。メモリのサイズ決 定やインタリーブに関する問題の疑いがあれば、このオプションの周りをいじっ てみると状況が改善するかもしれません。悪化することもあるかもしれません が。これらのオプションは通常は必要ないものです。というのも、サーバが正 しい値を自動的に使うからです。このオプションにおかしな設定をすると、表 示が全く変になってしまうでしょう。

option "pci_burst_off" "pci_burst_on" (W32p)

PCI カードを使っている場合、このオプションは W32p チップの PCI バース ト転送の有効/無効を切替えます。通常は、まともな BIOS ならマザーボード と VGA カードの設定を合わせるのですが、両者が一致していない場合には画 面にゴミが出るでしょう(マウスの通った跡など)。これらのオプションを使う と、W32p のバースト転送の設定をマザーボードの設定と合わせることができ ます。

videoram 1024 (または別の値) (全てのチップ)

このオプションは検出されたビデオメモリの量を上書きし、指定された量のメ モリがカードに載っているかのように動作させます。このオプションは、カー ドにメモリが 2MB 載っているけれど DRAM の構成がドライバがメモリの上位 1MB の部分を有効にする方法と互換でない場合や、メモリの検出がうまく行か ない場合に役に立ちます。このオプションは Device セクションで指定しなけ ればなりません。

Clockchip "et6000" (et6000)

このオプションはプログラマブルクロックを有効にしますが、明らかに ET6000 でしか使えません。このオプションは Device セクションで指定しな ければなりません。サーバは ET6000 を検出すると通常、プログラマブルクロッ クを自動的に使います。このオプションを使うのは、自動検出がうまく動作し ていない疑いがあるときだけにしましょう。周波数によっては不安定になるこ とがある(画面が「波打って」しまいます)点に注意してください。安定だと保 証できるのは、(デフォルトのクロック値のように)試してみた周波数だけです。 画面が乱れた場合には、少しだけ異なる値(0.5MHz ずれている値など)を試し てください。モニタはこの周波数に同期できるはずですが、クロックチップが これで不安定な領域の外に出てくれるかもしれません。

Option "linear" (ET4000W32i, ET4000W32p, ET6000)

このオプションはリニアアドレッシングを有効にします。これにより、フレー ムバッファ全体がシステムメモリより上位のアドレスにマップされ、フレーム バッファ全体に直接アクセスできるようになります。この方法を使うと、遅い SVGA のバンク切替えが不要になります(バンク切替えでは、同時にフレームバッ ファの一部しか参照できません)。リニアアドレッシングは 256 色時には性能 が向上しますし、現在のところ 16bpp, 24bpp, 32bpp では必ず使わなければ なりません。

MemBase 0xE0000000 (あるいは別のアドレス) (ET4000W32, ET6000)

このオプションはリニアフレームバッファの物理メモリのベースアドレスを設 定します。このオプションは Device セクションで指定しなければなりません。 このオプションは PCI でない場合のリニアアドレッシングの設定ではたぶん 必要ですし、PCI ベースのシステムでも自動検出に失敗する時に役に立つかも しれません。しかし、ほとんど全ての PCI システムではこのオプションは不 要です。 後述のリニアメモリベースアドレスに関する事項を読んでください!

後述のリニアメモリベースアドレスに関する事項を読んでください! (ちゃんとした理由があってメッセージを繰り返しています。)

このオプションを使うのは、サーバが使うデフォルトの MemBase 値で問題が 起こる場合か、サーバがアドレスの指定を明示的に求めた場合だけにしてくだ さい。

Option "pci_retry" (ET4000W32p(PCI バス用), ET6000)

このオプションは PCI バスのリトライ機能を有効にします。この機能は、ロー カルバスや PCI バスベースのシステムにおける性能向上モードです。サーバ が新しいアクセラレーション付き操作を開始しようとしているけれど、アクセ ラレータがまだ前の操作のためにビジー状態になっている時に、VGA コントロー ラはバスをホールド状態(待ち状態のようなものです)にします。

これは VGA カードを動かすための最速の方法(ビジー待ちループが不要)です が、タイミング依存のデバイス(テープドライブ、サウンドカード等)に負担を かけてしまいます。トラブルシューティングのセクションも参照してください。


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