Xinstall.sh スクリプトを使った XFree86 4.0 のインストールこの節では XFree86 4.0 のバイナリ配布物を手動でインストールする 方法を説明します。この方法を使うのは、自分で何をやっているのか分かる人 だけにしてください。ここでの説明はよくある場合をある程度押さえています が、考えられる全ての場合を網羅しているわけではありません。
ダウンロードした全てのファイルをひとつのディレクトリに置いてください
(十分な空きがある一時ディレクトリを選んでください)。スーパーユーザ
(root)になります。これ以降のコマンドは全て root ユーザで実行し、
実行場所もダウンロードした全てのファイルを置いているディレクトリに
してください。tarball の展開には "extract" を必ず使ってくださ
い。これは gzip のコードを組み込んだ GNU tar を改造したバージョンであ
り、"extract" という名前で実行すると通常とは異なる動作をします。
動作の重要な違いのひとつは、ほとんどの tar はデフォルト動作では新しい
ファイルを書き込む前に古いファイルは削除しませんが、extract
はこれを行う点です。これは既存のバージョンの X の上に上書き
インストールを行う場合に重要です。tarball の展開に他のユーティリティを
使う場合には、この部分は自力で処理してください。
最も簡単なのは、今まで X がインストールされていない場合です。 この場合のインストール手順は以下の通りです:
chmod +x extract
mkdir /usr/X11R6
mkdir /etc/X11
./extract -C /usr/X11R6 X[a-df-uw-z]*.tgz
./extract -C /usr/X11R6 Xvfb.tgz # Xvfb をインストールする場合
./extract -C /etc/X11 Xetc.tgz
./extract -C /var Xvar.tgz
ln -s /etc/X11/app-defaults /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/fs /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/lbxproxy /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/proxymngr /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/rstart /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/twm /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/xdm /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/xinit /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/xsm /usr/X11R6/lib/X11
ln -s /etc/X11/xserver /usr/X11R6/lib/X11
/sbin/ldconfig /usr/X11R6/lib # Linux の場合
/sbin/ldconfig -m /usr/X11R6/lib # FreeBSD, NetBSD, OpenBSD の場合
/usr/X11R6/bin/mkfontdir /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc
古いバージョンの X が既にインストールされている場合は、新しい バージョンを上書きインストールする前にバックアップを取っておくべきです。
何よりも先にまずは extract が実行可能であり、また
"gnu-tar" が extract へのリンクであること(普通の
tar コマンドとして使えるようにするため)を確かめてください:
chmod +x extract
rm -f gnu-tar
ln extract gnu-tar
手順の最初の部分は古い実行時設定ファイルを /usr/X11R6/lib/X11
から /etc/X11 に移すことです。/etc/X11 ディレクトリ
がまだなければ作成してください。app-defaults, fs,
lbxproxy, proxymngr, rstart, twm,
xdm, xinit, xsm, xserver
サブディレクトリのうち移したいものについては、この名前の
サブディレクトリが /usr/X11R6/lib/X11 にあることを確認してく
ださい。同じ名前のサブディレクトリを /etc/X11 に作ってから、
次のコマンドでファイルをコピーします:
./gnu-tar -C /usr/X11R6/lib/X11/(サブディレクトリ名) -c -f - . | \
./gnu-tar -C /etc/X11/(サブディレクトリ名) -v -x -p -U -f -
移動させたそれぞれのサブディレクトリについて、
/usr/X11R6/lib/X11 にあるサブディレクトリを消してから新しい
場所にシンボリックリンクを張ってください:
rm -fr /usr/X11R6/lib/X11/(サブディレクトリ名)
ln -s /etc/X11/(サブディレクトリ名) /usr/X11R6/lib/X11
-->
/usr/X11R6/lib/X11 にまだなかったサブディレクトリについては、
/etc/X11 にサブディレクトリを作り、そこにシンボリックリンクを
作ってください:
mkdir /etc/X11/(サブディレクトリ名)
ln -s /etc/X11/(サブディレクトリ名) /usr/X11R6/lib/X11
これが済んだら、Xetc.tgz tarball から一時ディレクトリに設定ファ
イルを展開します:
mkdir tmpdir
./extract -C tmpdir Xetc.tgz
それから各サブディレクトリをインストール先にコピーします:
./gnu-tar -C tmpdir/subdir -c -f - . | \
./gnu-tar -C /usr/X11R6/lib/X11/subdir -v -x -p -U -f -
以前にインストールした設定ファイルをカスタマイズしている場合は、 これらのサブディレクトリは省略するか、手動で選んでコピーするとよいでしょ う。
この作業が終わったら、インストールの主要な部分は以下のように行えます:
./extract -C /usr/X11R6 X[a-df-uw-z]*.tgz
./extract -C /usr/X11R6 Xvfb.tgz # Xvfb をインストールする場合
./extract -C /var Xvar.tgz
/sbin/ldconfig /usr/X11R6/lib # Linux の場合
/sbin/ldconfig -m /usr/X11R6/lib # FreeBSD, NetBSD, OpenBSD の場合
/usr/X11R6/bin/mkfontdir /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc
Xinstall.sh スクリプトを使った XFree86 4.0 のインストール