4. 生成情報の設定

この節では新しいドライバ用設定を行なう為の周辺の構成変更と生成段階 について説明します。この段階ではソースから生成するかリンクキットか ら生成するかにかかわらず同様で、ただファイルの配置が異なっているだ けのことです。以下に構成変更について説明します:

1. ドライバのサブディレクトリとデータ構造を決定して下さい。 単一のドライバ内にそのチップセットに関連する複数のドライバ を実装することが現状のドライバに許されるならば（実際には奨 励されています）、通常チップセットのバージョンよりはベンダー 名称を使用するのが良いでしょう。昔の XFree86 のドライバはこ の慣習を採用していなかったですが現在は殆どのドライバがドライ バのインターフェースを柔軟且つ拡張可能になるようにこの慣習 を使用していますのでベンダー名称を使いましょう。 この文書では SuperDuper Chips というベンダーを例に取り挙げ ます。以降、ドライバの名称に `sdc' を用います。
2. カラーサーバーをサポートするかモノクロサーバーをサポートす るか又は両方サポートするのか決定してください。この文書では、 カラーとモノクロ両方のサーバーをサポートするように仮定してい ます。カラーサーバーだけをサポートしたいと思う場合はモノクロ のサーバーを実現する段階を無視してください。モノクロサーバー だけをサポートしたい場合はカラーサーバーの段階で一覧にある可 能なモノクロサーバーを実現させ、モノクロサーバーの段階は無視 してください。現存する殆どのドライバーはカラーのみか、両方の サーバーをサポートしていて、``generic'' なドライバーは（現在 は）モノクロサーバーをサポートしています。
3. ドライバーのディレクトリを作成してください:
   • ソースから作業する場合は、次のディレクトリを作成 してください:

        xc/programs/Xserver/hw/xfree86/vga256/drivers/sdc
        xc/programs/Xserver/hw/xfree86/vga16/drivers/sdc
        xc/programs/Xserver/hw/xfree86/vga2/drivers/sdc
     

   • リンクキットから作業する場合は次のディレクトリを 作成してください:

        /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga256/sdc
        /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga16/sdc
        /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga2/sdc
     

4. ドライバーを生成する為の Imakefiel パラメタを設定しましょう:
   • ソースから作業するなら:
     1. xc/config/cf/xfree86.cf を編集して `sdc' を `XF86Vga256Drivers', `XF86Vga16Drivers' と `XF86Vga2Drivers' の定義の一覧に追加してください。 一覧の `generic' の直前（例えば最後から二番目）に `sdc' を追加し `sdc' を他のドライバーの探査が不正 に `sdc' チップセットを検知しないようにしてくださ い。
     2. xc/config/cf/xf86site.def を編集してこのファイ ルにいくつかの項目を追加してください（これは標準値の 設定の作業です）。
     3. xc/programs/Xserver/hw/xfree86/LinkKit/ にある site.def.LK ファイルを編集してこのファイルにいくつか の項目を追加してください。これはリンクキットに含まれ る `site.def' ファイルの雛型です。
   • リンクキットから作業をするなら、/usr/X11R6/lib/Server/site.def を編集して`sdc' を `XF86Vga256Drivers', `XF86Vga16Drivers' と `XF86Vga2Drivers' の定義に最初に書いた様に追加してください。
5. さて新しいディレクトリに雛型のファイルをコピーしましょう:
   • ソースから作業するなら、`stub' ファイルを次のようにコピー してください（ディレクトリは xc/programs/Xserver の下です）:

     Imakefile.stub =>

     hw/xfree86/vga256/drivers/sdc/Imakefile

     stub_driver.c =>

     hw/xfree86/vga256/drivers/sdc/sdc_driver.c

     stub_bank.s =>

     hw/xfree86/vga256/drivers/sdc/sdc_bank.s

     Imakefile.stub =>

     hw/xfree86/vga16/drivers/sdc/Imakefile （そして Imakefile を編集してコメントに従って 変更してください）。

     Imakefile.stub =>

     （そして Imakefile を編集してコメントに従って 変更してください）。

   • リンクキットから作業するなら、`stub' ファイルを次のよう にコピーしてください:

     Imakefile.stub =>

     /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga256/sdc/Imakefile

     stub_driver.c =>

     /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga256/sdc/sdc_driver.c

     stub_bank.s =>

     /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga256/sdc/sdc_bank.s

     Imakefile.stub =>

     /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga16/sdc/Imakefile （そして Imakefile を編集してコメントに従って 変更してください）。

     Imakefile.stub =>

     /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga2/sdc/Imakefile （そして Imakefile を編集してコメントに従って 変更してください）。

6. たった今コピーした各々のファイルを編集して `stub' を `sdc' に、`STUB' を `SDC' に全て置き換えてください。