このセクションでは、XFree86 をうまく動作させるために必要かもしれない LynxOS の環境に対する変更点を説明します。
ハードウェアに関する XFree86 の設定方法について詳しく知るには、 「 XFree86 の設定を手早くする為の手引き」 を読んでください。
X を実行するためにはメモリが最低 16MB 必要です。実際のアプリケーション を実行したければ、32MB(以上)へのアップグレードを考えるべきです。
XFree86 をうまく動作させるためには、システムのパラメータをいくつか変更 する必要があるかもしれません。
LynxOS 2.5.x と 3.0.x では、
#define X_WINDOWS
という行を /sys/lynx.os/uparam.h
に追加してください。
以前のバージョンの場合には、/usr/include/param.h
を編集しなけ
ればなりません:
調整可能 旧 新 USR_NFDS プロセスごとにオープンできるファイル数 20 64 NPROC タスクの数 50 150 NFILES システムがオープンできるファイル数 100 250 NINODES コア内の i-ノードの数 (NFILES と同じ数) QUANTUM プリエンプションまでのクロック数 64 20 CACHEBLKS キャッシュのメモリブロック数 202 >= 4096
新しい値は、LynxOS のドキュメントに OS 付属の X ウィンドウパッケージ用 として書かれている値です。
/sys/lynx.os/uparam.h
ファイル中の SMEMS パラメータの値を10 から 20 に増やす必要があるでしょう。
xterm を何個も実行できるようにするためには、pty の数も増やさなければな
りません。/sys/lynx.os/pty.cfg
を
/usr/X11R6/lib/X11/etc/pty.cfg
で置き換えることもできます。
PS/2 マウスやバスマウスの使用を考えている場合、カーネルの再構築の前に 以下のセクションを見てください。考えていない場合には、すぐにカーネルを 再構築してください:
# cd /sys/lynx.os
# make install
# reboot -N
XFree86 は PnP マウスをサポートしています( XFree86 におけるマウスのサポートも参照してください)。しかし、 現在の LynxOS の TTY デバイスドライバは TRS ラインで必要な操作を行う ことができないので、LynxOS では PnP マウスのサポートは無効にされます。
バージョン2.4.0 以降の LynxOS x86 には PS/2 マウスドライバが入っていま す。このドライバはプロトコル変換を行うので、マウスの種類としては実際の マウスの種類に関係なく Microsoft を指定する必要があります。 場合によっては、マウスのボタンが全くサポートされないこともあります。
LynxOS x86 3.0.1 patch #XXX に含まれる PS/2 マウスドライバはプロトコル 変換を行わないので、マウスの種類としては PS/2 を設定する必要 があります。このドライバは拡張 PS/2 マウスもサポートしています。
Linux のバスマウスドライバを LynxOS に移植したものが
/usr/X11R6/lib/X11/etc/BM-Lynx.shar
にあります。このドライバ
をインストールするには、まず以下の操作で shar 形式のアーカイブを展開し
ます:
# cd /
# bash /usr/X11R6/lib/X11/etc/BM-Lynx.shar
次に、インストールの続きと設定の注意について、/BMOUSE.Readme
に書かれている注意に従ってください。
XFree86 の PS/2 マウスドライバは、LynxOS のパッチ 000055-00 をインストー ルしていなければ、LynxOS x86 2.4.0 に付属している MetroLink X 2.3.3.1 でも動作します。
XFree86 サーバは LynxOS のデフォルトのコンソールドライバでしか動作しま せん。代替品の vdt コンソールドライバを使っている人には残念なことです が。現時点では、サーバを起動した後の仮想端末切り替えはサポートされてい ません。
X サーバがキーボード入力のために使う空きのコンソールが 1 つ必要です。
したがって、/etc/ttys
の 4 つの仮想端末のうち、少なくとも1 つ
を無効にしなければなりません。/dev/atc3
を無効にする例を示し
ます:
/dev/atc3:1:default:vt100at:/bin/login
を
/dev/atc3:0:default:vt100at:/bin/login
^
に変更します。
XFree86 の X サーバは起動の間に大量の診断用の出力を標準エラー出力に出 力します。この出力は、サーバがコンソール初期化処理の特定の点に達した時 に消えてしまいます。サーバが生成した診断用の出力を解析したければ、標準 出力と標準エラー出力をリダイレクトしなければなりません。
X サーバの実行中は、他のコンソールへの出力は消えてしまいます。サーバが 終了した後は、他のコンソールの画面の内容はおかしくなり、想像できないよ うなもの(つまりランダム)になるかもしれません。