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6. システムの構成におけるトレードオフ

前に示した公式は、このように変形できます。

        DCF = RR * HFL * VFL
つまり、ドットクロックが一定だとすると、一秒間にこれだけのドット数を再描画 速度、水平解像度または垂直解像度に振り分けることができるということです。こ れらの数字の一つを増やすと他の数字を減らさなければなりません。

しかし、再描画速度はモニタの最大垂直同期周波数を超えることは出来ませんの で、注意してください。従って与えられたドットクロックで与えられたモニタで は、自分で強制出来ないフレーム長の積の最小以下になります。

自分の設定を選ぶ時に、RR が低すぎる場合、画面のちらつきで顔をしかめること を覚えてください

多分、再描画速度を 60Hz 以下に下げたくは無いでしょう。蛍光燈のちらつく速さ ですので、ちらつきに敏感な場合は VESA 人間工学標準の 72MHz に保つ必要があ ります。

ちらつきは大変目に辛いものですが、しかし人間の目は適応し人々のちらつきに対 する耐性はかなり広範囲です。画面の 90% が見える角度でモニタに向き合って いる場合に、暗い背景と良いコントラストの色を前景に使い、輝度を低から中に調 整するならば、たぶん 45Hz 位に小さくても快適でしょう。

厳密なテストのやり方は次の通りです : xterm -bg white -fg black で真っ白な 背景に黒の前景の xterm を開いて、表示可能な領域全てを隠すぐらいの大きさに して下さい。そしてモニタの明かるさを最大の設定値の 3/4 に設定して、モニ タから顔をそむけて、モニタを横目で覗いてみて下さい (これは、より敏感な 視野周辺部の細胞を働かせるためです) 。なんにもちらつきを感じない場合若しく は許せる範囲ならば、あなたにとってその再描画速度は丁度良いのです。もしそう でなかったら、一見大丈夫なように見えても、明らかには判からないようなちらつ きによってひどく目が疲労し頭痛を起こしますので、普通に見える様になる迄、よ り高い再描画速度に調整して下さい。

インタレースモードでは、ちらつきの量は現在の仮想解像度と実際の画面の 中身に依存します。したがって実験が必要になります。半フレームの周波数を 85Hz 程度よりは低くしたくないでしょう。

このようにして最小の許容できる再描画速度を選ぶことができます。HFL と VFL を選択するためには、多少の作戦の余地があるでしょう。


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