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6. ``cl64xx'' ドライバ

cl64xx ドライバは多くのラップトップで使われている cl-gd6440 をサポート しています。例えば、Nan Tan Computer 製の NP9200, NP3600 等があり、こ のマシンは Sager や ProStar に OEM 供給されています。また、 Texas Instruments の TI4000 シリーズもサポートしています。

このモードは LCD 専用モード、CRT 専用モード、チップの SimulScan モード で動作します。SimulScan モードを使うと、LCD と外部 CRT ディスプレイを 同時に使うことができます。LCD モードと SimulScan モードの解像度は 640x480 ですが、CRT 専用モードでは標準 VESA モードの 640x480, 600x800, 1024x768 がテストされています。1024x768 インタレースモードは、デバッグ は全くされておらず、テストしたマシンでは動作しませんでした。

ドキュメントに書かれているこのチップのドットクロック値の操作上限はコア 電圧に関係します。特に、5.0V の時は最大ドットクロック値は 65MHz で、 3.3V の時は 40MHz です。ドライバはコア電圧をチェックし、最大ドットクロッ ク値を対応する値に制限します。これにより、最大解像度はリフレッシュレー トが 60Hz の時に約 1024x768 に変わります。内蔵クロックジェネレータをこ の制限より高くプログラムされてしまうことあります。これは、サーバの起動 時に瞬間的にチップの操作上限を越えるクロック値が検出された場合に起こり ます。ですから、有効な値が一度得られたら、XF86Config の Clocks 行を使うことをお勧めします。この設定を行うと、サーバの起動時間 も劇的に短くなります。クロック値は X サーバに -probeonly オプションを 付けて実行すれば検出することができます(-probeonly オプションに関する詳 しいことは、XFree86 のオンラインマニュアルを参照してください)。

データシートを見ると、チップがサポートしているビデオメモリの構成は 1MB だけです。ですから、この大きさはドライバに直接設定されていますが、必要 であれば、このデフォルトのサイズを XF86Config で上書きできる はずです。また、ビデオメモリが 1M ならば、仮想スクリーン(例えば 1024x1024)が使えるはずですし、これは CRT 専用スクリーンモードでも使え るはずです。しかし、LCD を使っている場合(LCD, SimulScan)は必ず、チップ はビデオ RAM の上位アドレスの部分を内部的なアクセラレーションのために 使います。したがって、仮想スクリーンに使えるビデオメモリの最大値は約 0.75 MB (1024x768 等で使えます)になります。これを越える大きさの仮想解 像度を設定した場合、アクセラレーションが効いている領域が表示された時に、 圧縮とエイリアシングがかかった縞とでも言えるような変なものが表示される でしょう。

現在は、このドライバは LCD, CRT, SimulScan 間のスクリーンモード切り替 えをサポートしていません。また、少なくとも NP9200 上では、このモードは OS の起動時で BIOS がまだ有効な時に(例えば Linux なら LILO 等で)選択し なければなりません。 XF86Config ファイルの ModeLine オプションのようなスクリーンモー ドの種類の選択を追加をできるようにし、X サーバ上から動的なスクリーンモー ド切り替えをできるようにすべきです。最後になりますが、このドライバは現 在はチップが持つ電源切断の省電力機能は全くサポートしていませんし、スク リーンブランク時に LCD のバックライトを消す機能もサポートしていません。 将来のリリースではこれらの機能を全て実装したいと思っています。

CL-GD6420 に関するメモ:

ビデオメモリの量は必ずしも正しく検出されません。ドライバのソースコード には 2 つの方法が組み込まれていますが、片方は使わないようになっていま す。Device セクションの VideoRam 行でビデオメモリの量を指定する方が良 いでしょう。CRT モードや SimulScan モードでは、ドットクロック値 25.175 MHz で標準の 640x480 60Hz のモードタイミングを使いましょう。LCD 専用モー ドの時は同じモードタイミングを使いますが、ドットクロック値は 16.257 MHz にしましょう。標準の 800x600 56Hz も CRT モードでサポートされてい ます。

cl6440 を ``cl64xx'' ドライバで使って不具合を見つけた場合には、まず Randy Hendry <randy@sgi.com> に連絡してください。


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