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2. バイナリコードのインストール

ディスク容量を節約したい場合は、まず、展開するアーカイブを選択します。どれを 展開すべきかわからず、かつ、52Mバイト以上ののディスク容量がある場合は、全て 展開するのが確実です。

最低限、X312*.tgzのうち、'必須アーカイブ'に加え、少なくとも一つ、 使用するVGAカードに適合するXサーバを展開することが必要です。最低限必 要な実行用バイナリのみをインストールする場合、9Mバイトのディスク容量が必要 です。

必須アーカイブ(6.7Mb):

X312bin.tgz

全ての実行可能なXのクライアントアプリケーションソフトと共有ライブラリ

X312fnts.tgz

75 dpiフォント他

X312lib.tgz

実行時に必要なデータファィル

カスタマイズ済みの定義ファイルがない場合必要なアーカイブ:

X312xicf.tgz

xinit実行時に参照されるカスタマイズ用定義ファイル

X312xdcf.tgz

xdm実行時に参照されるカスタマイズ用定義ファイル

サーバアーカイブ(少なくとも一つ選択) ( 2.3Mb):

X3128514.tgz

IBM 8514 および完全互換チップ用8-bitカラーサーバ

X312AGX.tgz

AGX,XGAボード用 8,16-bitカラーサーバ

X312Ma32.tgz

ATI Mach32ボード用 8,16-bitカラーサーバ

X312Ma64.tgz

ATI Mach64ボード用 8,16,24-bitカラーサーバ

X312Ma8.tgz

ATI Mach8ボード用 8-bitカラーサーバ

X312Mono.tgz

VGA,Super-VGA,Hercules,その他のボード用1-bitモノクロサーバ

X312P9K.tgz

Weitek P9000ボード(Diamond Viper)用 8,16,24-bitカラーサーバ

X312S3.tgz

S3 ボード(#9 GXE,Actix GE32,SPEA Mercury,STB Pegasus)用 8,16,24-bitカラーサーバ

X312SVGA.tgz

Super-VGAカード用 8-bitカラーサーバ

X312VG16.tgz

VGA,Super-VGAカード用 4-bitカラーサーバ

X312W32.tgz

ET4000/W32,/W32i,W32pカード用 8-bitカラーサーバ

X312nest.tgz

他のdisplay上でクライアントwindowとして動作するネスト(いれ子)サーバ

オプショナル:

X312doc.tgz

(.5Mb) READMEs

X312man.tgz

(1.7Mb) man pages

X312f100.tgz

(1.8Mb)100dpiフォント

X312fscl.tgz

(1.6Mb)Speedo,Type1 フォント

X312fnon.tgz

(3.3Mb)日本語、中国語、その他の非英語用フォント

X312fcyr.tgz

(.4Mb)キリル文字フォント

X312fsrv.tgz

(.3Mb)フォントサーバとそのman page

X312prog.tgz

(3.9Mb)コンパイル時にのみ必要なconfig,lib*.a,*.hファイル

X312link.tgz

(7.8Mb)Xサーバの再構成キット

X312pex.tgz

(.5Mb)PEXアプリケーションで必要なPEX フォント,共有ライブラリ

X312lbx.tgz

(.2Mb)狭帯域X proxy サーバとそのライブラリ

独立したxdmアーカイブは無くなったことに注意して下さい。FreeBSD-2.0や それ以降では、これを共有ライブラリで扱っているため、xdmバイナリ自身には desは含まれず、独立したtarアーカイブとして提供する必要が無くなりました。

2.1 フルインストール

  1. いくつかの実行可能ファイルはset-user-idされるのでアーカイブを展開する ために必ずrootでログインしなければなりません。rootでなく通常ユーザで 展開するとサーバは異常終了する可能性があります。また、Xサーバは特別な パーミッション(ファイル属性)を必要とするので``umask''の値を 022 に設定しなければなりません。
     % su
     # umask 022
    
  2. /usrパーティションに52Mb以上の空き容量がある場合、 ``cd /usr''として、3にスキップして下さい。無い場合は、 他のパーティションにディレクトリを作り、/usrの中へシ ンボリックリンクをはります。
     # cd /usr/local
     # mkdir X11R6
     # ln -s /usr/local/X11R6 /usr/X11R6
    
  3. 全アーカイブを展開 shを使っている場合(rootは多くの場合こちら):
     # for i in X312*.tgz; do
     #   tar -xzf $i
     # done
    
    またはcshを使っている場合:(訳注:現在のFreeBSDではrootも標準でcsh)
     % foreach i (X312*.tgz)
     %   tar -xzf $i
     % end
    
  4. 使用しているビデオボードに適合するサーバを指し示すように``X'' という名前でシンボリックリンクを作成します。それぞれのサーバがどの ビデオチップをサポートするかは、XF86_* のman pagesに示されて います。たとえば、ET4000ベースのカードの場合は、XF86_SVGAサーバを 使用します。
     # cd /usr/X11R6/bin; rm X; ln -s XF86_SVGA X
    

2.2 最小インストール

最初に上記の1,2を実行します。そして、必須アーカイブを展開します。

 # for i in bin fnts lib xicf; do
 #   tar -xzf  X312$i.tgz
 # done

使用しているvgaカードに適合するサーバアーカイブを展開します。 それぞれのサーバがどのビデオチップをサポートするかは、サーバののman pages X11R6/man/man1/XF86_*示されています。たとえば、ET4000ベースのカ ードの場合は、XF86_SVGAサーバを使用します。

 # tar -xzf X312SVGA.tgz
 # cd /usr/X11R6/bin; rm X; ln -s XF86_SVGA X

2.3 フルインストール、または最小インストール後にすること:

まだ行われていない場合は、shのために/etc/profile内のデフォルトの パスに、また、cshのために/etc/csh.loginに/usr/X11R6/binを追加します。

 # echo 'set path = ($path /usr/X11R6/bin)' >>/etc/csh.login
 # echo 'PATH=$PATH:/usr/X11R6/bin' >>/etc/profile

または、Xを使用する全ユーザのシェルの``path''変数に/usr/X11R6/bin が入るようにします。

その後リブートするか、rootになって共有ライブラリがld.soのキャッシュに 入るようにldconfigを実行します。

 # ldconfig /usr/lib /usr/local/lib /usr/X11R6/lib

設定済みのX11R6/lib/X11/xinit/xinitrcまたは、 X11R6/lib/X11/xdm/* がある場合、xinit-configまたは xdm-configのアーカイブを省略するか、別にの場所に展開し、必要な設定に応 じてマージします。

fsclf100アーカイブはオプショナルで、ディスク容量を節約したい場合 には省略可能です。また、オプショナルなlinkアーカイブはXサーバのリコンフ ィグやカスタマイズを可能にします。オプショナルなprogアーカイブは、Xの アプリケーションソフトを作成したりコンパイルする場合にのみ必要です。オプショ ナルなpexアーカイブはpexクライアントや3Dグラフィックアプリケーションソ フトの作成のためのライブラリを含みます。

Note: フォントファィルはuncompressする必要はありませんが、もし、それらを uncompressする場合は、該当するディレクトリで、mkfontdirを実行しなけれ ばなりません。それを行わないと、``could not open dfault font 'fixed' '' とメッセージを出力して、サーバは異常終了します。

標準的なFreeBSD 1.1.5システムで使用する場合、この章の残りの部分を省略 できます。それ以外の場合、login process(getty)が動作している、予備の 仮想コンソールがあるか確認します。まず、いくつの仮想コンソールがあるか 確認します。

 % dmesg|grep sc
 sc0 at 0x60-0x6f irq 1 on motherboard
 sc0: VGA color <8 virtual consoles>

そして、gettyが有効化されていないttyv?デバイスが少なくとも1つあるか、 /etc/ttysを確認します。FreeBSD 1.1.5では、最初の3つが``on''で最後の1 つが``off''になっていて、3つだけgettyが実行されています。

 % grep ttyv /etc/ttys
 ttyv0  "/usr/libexec/getty Pc" cons25  on secure
 ttyv1  "/usr/libexec/getty Pc" cons25  on secure
 ttyv2  "/usr/libexec/getty Pc" cons25  on secure
 ttyv3  "/usr/libexec/getty Pc" cons25  off secure

カーネルに少なくとも4つの仮想端末(VT)があり、3つだけgettyが実行されてい る場合、これはたいへん適当な設定です。仮想端末が不足している場合、 /etc/ttysで``on''から``off''に変更し、gettyを1つ無効化するか、 下記で説明するように、より多くの仮想端末(VT)を使えるように新たなカーネル を構成します。


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