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2. 基本構成

`XF86Setup' や`xf86config' プログラムを使用して XF86Config ファイルを生成 することをお勧めしていますが、このプログラムは稼働可能な高解像度の 8bpp の構成を作成します。使用するモニターに、より適応したモード調整 値を Monitor 節に記入したくなるでしょう。ドライバのオプショ ンについては次の節で詳細に述べますので、ここでは軽く触れるだけにしま す。

全てののチップセット用に Clockchip "cirrus" 行を Device 節に書きましょう。こうやっておくとサーバがサポート している対策済みのドットクロックの組み合わせの中から適切なドットクロ ックを使用可能にします。低解像度のモニター対応で 12.6 MHz のドットク ロックを使いたい場合に必要になります。しかし、このオプションを使用す ると、変わった現象を引き起こすクロック周波数が不安定になるので、 絶対に必要な時だけ使用してください。 BitBLT エンジンを用いるこれらのチップは XAA (XFree86 Acceleration Architecture) を使用しています。このプログラムは新しくまだベータ段階に あります。 グラフィック画面の再描画がうまく動作しない場合は、チップセットが BitBLT エンジンを持っている場合に先ず"noaccel" オプショ ンを試してください。メモリマップ I/O を使っている場合は、 "no_mmio" オプションで充分かもしれません。

16bpp、24bpp か 32bpp の深度で実行するか、8bpp で性能を向上させるにはリニア アドレッシング機能を使えるようにしなければいけません。 幾つかの PCI バス構成の操作モードは標準でリニアアドレッシングモードです。 このモードを無効にするには "nolinear" を指定して ください。 ローカルバスの 543x カードまたは、メモリが 16M バイト以下のシステムでローカルバスの 542x カードもしくは ISA の 543x カードを搭載しているときに一般に使用可 能です。 "linear" オプションが必須で、おそらく Membaseでアドレスを指定する必要があるでしょう。以降の節で詳細 に説明します。

アルパイン系列のチップでは標準でメモリマップ I/O になっています。 "mmio" オプションは 5429 で も適用可能と思いますが、未だテストしていません。 最後に、546X チップを使っている場合は PCI 又は AGP バス上に搭載されています。 この ような場合は、メモリマップ I/O や フレームバッファアドレス空間がシステム メモリに飛び出していても問題ありません。PCI 空間は 4GB 近くのアドレスを 割り付けすることができます。したがって mmio とリニアフレームバッファは システム上で衝突することは全然ないので"linear", Membase"mmio"オプションは無視されます。 メモリマップ I/O とリニアアドレッシングは常に使用します。

`Clocks' コマンドは使わないでください。 (つまり、探査しない で) クロックを修正した場合、 (各々のチップセットのサポートしている最大 クロック以外の) カード毎の違いは反映できません。

以降のオプションは特に Cirrus ドライバでは重要です。各々のオプションは XF86Config の `svga' ドライバ節に Screen 項 の中に適応する全ての深度を指定する必要があります (Device 節に全ての Screen を指定することが可能です) 。

"noaccel" オプション

このオプションはアクセタレータ機能を無効にします。アクセラレータ 機能の不具合や DRAM の速度や高いドットクロックによる問題を解決する 支援を効率良く (ローカルバスでは一段と妥当に) 行います。

"fast_dram" "med_dram" \ "slow_dram" オプション (5424/6/8/9, 543x, 5446, 546x)

これらのオプションは内蔵メモリクロック(MCLK 又は 546x 用の BCLK) レジスタを他の数値に 変更するものです。標準値は BIOS に組み込まれている場合は大丈夫です が、強く要求されない限りこのオプションで無茶をしないでください。

"fast_dram" オプションはビデオボードの内蔵メモリ クロック(MCLK) レジスタにより高い値を設定します (最近のチップは標準で十分より高い値を使っています)。 通常、このレジスタはいじることはないのですが、標準の CL-GD542x BIOS の初期化によって高いドットクロックモードでの性能に良くない影響を与 えるような (チップセットの仕様に制限された) 低い方の値に設定されま す。これは拡張 RAS 調整を使う場合には特に影響を受けます (これはサー バの探査で指摘されます) 。 DRAM の実際の速度はこのオプションが適切だろうとなかろうとカード認識 において危険な要素にはなりません。80ns の DRAM を搭載している CL-GD5426 を基にした カードが拡張 RAS 調整を使って DOS の ドライバユーティリティで MCLK を (0x22) のような値に設定した場合は高い MCLK で安定して動作し ている様に見えるでしょう。

カスタマイズされた BIOS がより高い標準値以外の値に初期化した (主に 有名どころの) カードがあります。

"slow_dram" オプションは MCLK を標準の CL-GD542x BIOS の 値 (0x1c) に設定します。高すぎる MCLK の値は垂直方向の画面のちらつ く帯、テキストに誤った画素、テキストモードの画素の抜けを X の動作後 に引き起こします (MCLK の設定が低すぎる場合も同様の現象を起こします ので注意しましょう) 。

開始時に、ドライバーは MCLK の値を表示するでしょう (先ず、これを確 認して下さい) 、そしてこの値はモードによって変化します。

典型的な MCLK の値:

0x1c (50 MHz)

これは BIOS の標準値で用いられます。 "slow_dram" オプションで強制指定できます。

0x1f (55 MHz)

"med_dram" オプションで使用する値です。 542x を使っているカードでの最高の値はリニアアドレッシングが有効 になっていないと扱えないようです。

0x22 (60 MHz)

殆どの (拡張 RAS) 542x カードでは "fast_dram" オプションを使うと有効 になります。

公式な 542x チップの最大周波数は 50 MHz です。 5434 の公式仕様はまた 50 MHz (0x1c) で、5429 と 5430 のグラフィック モードでは 60 MHz (0x22) の MCLK をサポートし、ドライバは自動的にこ れを組み込みます。これが問題を引き起こした場合は "slow_dram" オプションを使用してください。

ドライバは認識した DRAM 帯域幅のクロックの上限を MCLK に取り込みま す。

546x チップでは、BCLK は Rambus アクセスクロックです。 典型的な値は 258 MHz から 300 MHz の範囲に入っています。 黒いチェック柄のパターンが表示されるような問題がある場合は、 "med_dram" オプションを使用してください。

全てにおいて特に (高いドットクロックで性能や安定度の) 問題がなかったら、 DRAM オプションを使う必要はありません。

"no_bitblt" オプション

このオプションを 5426/28/29/3x/46/6x/754x で使用する場合、 アクセラレータ機能 を保持する間、 (5424 では持っていない) BitBLT エンジンを無効にしま す。BitBLT エンジンを使用することに関連して生じる機能上の問題に対し て有効です。性能はかなり著しく落ちます。

"no_imageblt" オプション

このオプションは今では古くなってしまいました。 "xaa_no_col_exp" オプションが同様な効果を生みます。

"clgd54xx" チップセット

搭載されているチップセットを強制探査させます。サポートしているチッ プセットが正確に認識されないとか、サポートしていないチップセットを サポートしているチップセット互換品として認識させたい場合に有効で す。

videoram 1024 (又は他の値)

このオプションはビデオメモリの探査搭載量の強制指定と現行のカードに メモリを追加するふりをする場合に指定します。このオプションは 2M バ イトのメモリ構成時にドライバの要求メモリ量と互換性が保てない場合に 1 MB 以上を見せたくない、とかメモリの探査がうまく動作しないときに有 効です。これは Device 節に必ず指定してください。

"fifo_conservative" オプション (5424/6/8/9/3x/46/6x/754x の 場合に指定)

このオプションは CRT FIFO の敷居値を高いドットクロックの控え目な値 (>= 65 MHz) に 設定するもので、`筋・稲妻'(`streaks') , `ジッタ・不安定'(`jitter') 若くは画面の水平領域の繰り返し表示 (特に BitBLT 命令を行ったとき,例えばスクロール)と形容される問題を 性能が落としても軽減したい場合に有効です。

"fifo_aggressive" オプション (5424/6/8/9/3x/46/6x/754x の場合に指定)

このオプションは CRT FIFO の敷居値を高いドットクロックの積極的な値 に設定するもので、低い方のドットクロック用に使用するものと同じで す。理論的には高いドットクロックでの性能を向上させますが殆んどの場合 助けにはなりません。

"no_2mb_banksel" オプション (542x の場合に指定)

このオプションは 2M バイトのメモリを搭載したカードで 1M バイト以上 のメモリを有効にする `DRAM bank select' ビットを設定しないもので す。このオプションは 512Kx8 の DRAM 構成で有効で、1M バイト以上を仮 想画面に使っている 256Kx4/16 の DRAM 構成の場合は無効です。

"probe_clocks" オプション

このオプションはカードのドットクロックを強制探査します。クロックが 固定で全ての Cirrus のチップセットで同じなら必要ありません。

"cirrus" クロックチップ

このオプションはプログラマブルクロックを可能にします。Device 節に 指定する必要があります。このオプションを付けると、クロックモードが 自動で選択されます。Clocks 行は記入しないでください。このオプション は 320x200 のダブルスキャンモードのための 12.5 MHz のクロックを可能 にします。いくつかの周波数は不安定になるかもしれない (`波打つ' 画面 が出るかもしれません) ので注意してください。試して、テストした周波 数 (標準値のように) だけが安定なのは保証します。

"linear" オプション (542x/6/8/9/3x/754x VL バスの場合に指定)

このオプションは SVGA バンク切り替えでは必要のない全フレームバッ ファをシステムメモリの範囲を超えた高位のアドレスまで割り付けるリニ アアドレッシングを有効にします。256 色時の性能が向上し 16bpp と 24bpp と 32bpp では必須になっています。詳細は <@@ref>16bpp/24bpp/32bppリニアアドレッシング と 16bpp/24bpp/32bpp モードの節を参照してください。

"nolinear" オプション (542x/6/8/9/3x/754x PCI バスの場合に指定)

Linear addressing is the default mode of operation on any PCI-bus chip. For these configurations, this option disables linear addressing. 幾つかの PCI バスではリニアアドレッシングが標準になっています。 この構成時にこのオプションはリニアアドレッシングを無効にします。

Membase 0x00e00000 (又は異なるアドレス) (542x/6/8/9/3x/46/754x の場合に指定)

このオプションは物理的なリニアフレームバッファのメモリ基底アドレス を設定します。これは Device 節に指定する必要があります。非 PCI のリニ アアドレッシングの構成に必要です。

"favour_bitblt" オプション (5426 のみ)

このオプションは今では古くなってしまいました。

"mmio" オプション (5429, 7548)

このオプションは少し速くなるメモリマップ I/O を使う 543x/5429 上 の BitBLT エンジンとの接続を有効にします。 この付加機能は BitBLT エンジンを使わないとき (例えば、"no_bitblt" を使った場合) は効果がありません。

"no_mmio" オプション (543x/4x)

このオプションは標準モードになっているメモリマップ I/O を使う 幾つかのチップ上の BitBLT エンジンとの接続を無効にします。

"sw_cursor" オプション (5429/3x/46/754x)

このオプションはチップが提供するハードウェアカーソルを無効にしま す。カーソルに問題があるときに試してください。特に、5434/6 で 85 MHz 以上のドットクロックを使うときに有効ですが、これらのチップ がそのクロックでハードウェアカーソルの全ての機能をサポートして いないことに注意してください。

"clgd6225_lcd" オプション

いくつかの 62x5 ラップトップ用チップセットで最も白い色を LCD 画面 に表示するときの問題に対する対策を提供します。

"no_pixmap_cache" オプション

BitBLT チップで XAA を使用するときに、このオプションは XAA のピクスマップキャッシュを無効にします。ある程度描画のバグ の助けになるでしょう。

"xaa_no_col_exp" オプション

XAA を使用するときに、このオプションは XAA のハードウェアによる 色拡張の使用を無効にします。更にある程度描画のバグの助けになるで しょう。

"no_stretch" オプション (754x)

800x600 の液晶ディスプレイで 640x480 の表示を自動拡大 (水平と 垂直方向の拡大) を無効にします。

"pci_retry" オプション (546x)

PCI のカード用の機能を有効にします。この機能が有効にすると ドライバは可能な限り速く PCI バス上でデータ転送しようとします。 殆どの場合、このオプションは安全ですが、PCI ネットワークカード 、サウンドカード、SCSI コントローラ等の PCI デバイスで問題が 起こるかもしれません。このオプションを選択しない場合、 より安全な (VGA コマンドキューをたたく) 方法がとられます。


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