XAA アクセラレーション機能を持つ SVGA サーバは、少なくとも速さについて
は W32 サーバと同じくらいになったので、XF86_W32
は段階的に無
くしているところです。しかし、XF86_W32
サーバの方が多くのカー
ドをサポートしていますし、一部のカードについては色の深さも大きくできま
す。W32 カードを使った XF86_SVGA
の利用に関する詳しい情報は後
で述べます。現時点では、XF86_W32 でアクセラレーションが有効な全てのカー
ドが XF86_SVGA でもアクセラレーションが有効になるわけではない点に注意
してください(厳密に言うとアクセラレーションが有効になるのは ET6000 と
ET4000W32p だけです)。
以前の XF86_W32
で動作していたけれど新しい XF86_SVGA
サーバでは問題が起きたカードに対しては、XF86_W32
サーバは安定
動作すると思われます。SVGA サーバがうまく動作しなかった時(これは
ET4000W32 ISA カードの一部で起こります)や、全くアクセラレーションが有
効にならない時(例えば ET4000W32i 使用時)には、このサーバを使いましょう。
XFree 3.2A 以降、このサーバは更新されていません。つまり一部の(既知の) バグは修正されていないままです。これらのバグは SVGA サーバの Tseng ド ライバ(またはこれに代わるもの)では修正されています。したがって問題に出 会ったならば、このサーバではなく SVGA サーバを試してください。
XF86_W32
は基本的には XF86_SVGA
であり、その描画コー
ドを X11R6 の mi/cfb
コードに基づくものに完全に置き換え、
ET4000/W32 向けの変更を行ったものです。このサーバは XF86_SVGA
と同じキーワードを受け付けますが、ET4000/W32 シリーズに適用できないキー
ワードは黙って無視します(例: キーワード "SpeedUp" は何もしません)。こ
のサーバは現在 w32, w32i, w32p, et6000 チップをサポートしています。サ
ポートしているチップの完全なリストについては、XF86_W32
が起動
時に表示するメッセージを見てください。このサーバは 256 しかサポートし
ていません。
XF86_SVGA
の場合と同様に、幅が 4 の倍数である仮想スクリーンを
指定することができます。仮想スクリーンのサイズは、利用可能なビデオ RAM
の量によって制限されます。XF86_W32
は 1M 以上のビデオ RAM を
扱えますが、1K は内部的に使うために予約しています。つまり、RAM を 1M
載せている場合には、XF86_W32
はメモリが 1023K であると表示し
ます。したがって、指定できる仮想スクリーンのサイズは 1152x910 ではなく
1152x900 となります。
Tseng のデータシートによると、ほとんどのカードの最大クロック値は 80MHz に設定されています。非インタレースの 1280x1024(x256 色)を 135MHz で使 うためには、(16ビットの RAMDAC バスを持ち)多重化 RAMDAC を積んだ w32p が必要です。これにより、w32p は 135MHz ではなく (135/2 = 67.5) MHz だ けを扱えばよくなります。これを行うには、ICS5341 GENDAC または STG1703 を用いたカードにだけ用意されている特別なコードが必要です。このコードは たいていの場合うまく動作するようですが、ICS5341 の場合だけは 90MHz 付 近の周波数で細い縞が現われてしまいます。
このサーバで問題が起きた場合には、以下のことを試してください:
XF86_W32
の起動前には、他
の X サーバも含めてビデオハードウェアをおかしくするようなものは何も動
かさないでください。
Ramdac "generic"
XF86_SVGA
)は VESA DPMS をサポートしていますし、画面を壊し
てしまうこともありません。