`Clocks
' コマンドは使わないでください。クロックは固定(つまり、
検出は行わない)ですし、(各チップセットにがサポートしている最大クロック
値を除いて)カードによる変化も無いはずです。
以下に挙げるオプションは、Cirrus ドライバ専用のものです。オプションは
それぞれ、XF86Config
ファイルの `svga
' ドライバのセク
ション内の、オプションを適用する色の深さの Screen
サブセクショ
ンで指定しなければなりません。(Device セクションで指定することにより、
全ての色の深さでオプションを有効にすることができます)。
このオプションはアクセタレータ機能を無効にします。このオプションが役に 立つのは、アクセラレーション機能のバグや高いドットクロック値、速い DRAM のタイミング等に関連する問題に対処する時です。ただし、性能は悪く なります(それでも、ローカルバスでは問題ないでしょう)。
これらのオプションは、内蔵メモリクロック(MCLK, ただし 546x の場合は BCLK) レジスタに他の数値を設定するものです。普通は BIOS にプログラムさ れているデフォルト値なら大丈夫ですが、どうしても必要でない限りはこのオ プションで無茶をしないでください。
"fast_dram"
オプションはビデオカードの内蔵メモリ
クロック(MCLK)レジスタの値をより高く設定します(最近のチップはデフォル
トで十分高い値を使っています)。通常、このレジスタに触ることはないので
すが、標準の CL-GD542x BIOS はこのレジスタをいくらか低い側(チップの仕
様で制限されています)の値に初期化するようです。この値が低いと、高いドッ
トクロックモードの時に性能に悪影響が出ます。この影響は、拡張 RAS タイ
ミングが使われる(これはサーバが検出を行う時に示されます)場合に特に顕著
です。このオプションが適切かどうかを決定する際には、DRAM の実際の速度
は決定的な要素ではありません。ある CL-GD5426 ベースのカード(MCLK をこ
の値(0x22)に設定するための DOS のドライバが付属しています)は 80ns の
DRAM を搭載し、拡張 RAS タイミングを使っていますがは、高い MCLK 値でも
安定して動作するようです。
カスタマイズされた BIOS が標準値でない高い値への初期化を行う(主に有名 どころの)カードがあります。
"slow_dram"
オプションは、MCLK を標準の CL-GD542x
BIOS が使う値(0x1c)に設定します。MCLK の値が高すぎると、スクリーンにち
らつくピクセルの縦縞ができたり、テキストにおかしなピクセルが現われたり、
X を終了した後にテキストモードのフォントのピクセルが欠けるという現象が
起きます(MCLK を低すぎる値にしても、よく似た現象が起きることがある点に
注意してください)。
起動時にドライバは MCLK レジスタの値を表示します(この値をまず確認して ください)。また、レジスタの値に何らかの変化があれば、それも表示します。
典型的な MCLK の値:
これは普通、BIOS のデフォルト値です。"slow_dram"
オプションで強制指定できます。
"med_dram"
オプションで使用する値です。
542x ベースのカードで扱える最大値は、リニアアドレッシングを有効にすれ
ば扱えるようです。
ほとんどの(拡張 RAS)542x カードでは扱えると思われる値であり、
"fast_dram"
オプションで使われます。
542x チップの公式な最大周波数は 50 MHz です。5434 の公式仕様でも 50 MHz (0x1c) で、5429 と 5430 の場合はたぶん 60Hz(0x22)です。現在のリビ ジョンの 5434(E 以降)は 64 MHz の MLCK をグラフィックスモードでサポー トし、ドライバはこれを自動的にプログラムします。これが問題を引き起こし た場合は "slow_dram" オプションを使用してください。
DRAM のバンド幅で決めるクロックの上限について、ドライバは MLCK も考慮 します。
564x チップの場合、BCLK は Rambus アクセスクロックです。典型的な値は
258 MHz から 300 MHz の範囲にあります。問題が起こる場合には(黒い市松模
様が画面に表示される等)、"med_dram"
オプションか
"slow_dram"
オプションを試してください。
どんな場合であれ、問題さえ起きなければ(性能や高いドットクロックでの安 定性)、DRAM 関係のオプションを使わないに越したことはありません。
5426/28/29/3x/46/6x/754x で使用する場合、このオプションは BitBLT エンジンの仕様を無効にする効果がありますが(5424 では効果はあり ません)、一部のアクセラレーション機能はそのままです。これは BitBLT エ ンジンを使う機能に関連する問題に対処する際に役に立ちます。性能は著しく 悪くなります。
このオプションは用いられなくなりました。"xaa_no_color_exp" オプション の効果はいくらか似ています。
強制的に与えられたチップセットを検出します。サポートされているのにうま く検出されないチップセットを使う時や、サポートされているチップセットに 互換と思われる未サポートのチップセットを使う時に便利です。
このオプションは検出したビデオメモリの量を上書きし、指定された量のメモ リがカードに載っているふりをして動作します。このオプションが役に立つの は、メモリ 2MB のカードにおいて DRAM の構成がドライバが上位のメモリ領 域を有効にする方法と互換でない時や、メモリの検出がうまく行かない時です。 このオプションは Device セクションで行わなければなりません。
このオプションは、高いドットクロック値(>= 65 MHz)に対する CRT の FIFO の閾値を安全側の値に設定し、性能は落ちるものの、縞が光ったり、画 面が揺れたり、スクリーン上で水平方向に表示が繰り返したり(特に、この現 象はスクロール等の BitBLT 操作を行っている途中に起こります)するといっ た問題をたぶん緩和します。
このオプションは CRT の FIFO の閾値を危険側の値に設定します。つまり、 ドットクロック値が低い時に使うのと同じ値にします。理論的にはドットクロッ ク値が高い時の性能が良くなりますが、大抵の場合は効果がありません。しか し、546x を使っている場合には、水平の縞が減ったり、その他の表示がおか しくなる問題(表示が左にずれる等)を解決することもあります。
このオプションを使うと、ドライバは 2M バイトカードの上位 1M 分のメモリ を有効にするための「DRAM バンク選択」ビットの設定を行いません。これは 1MB 以上のメモリを使う仮想スクリーンの設定を行っている時に、512x8 の DRAM を積んでいるマシンでは役に立つでしょう(256Kx4/16 DRAM の場合には 役に立ちません)。
このオプションを指定すると、カードのドットクロック値の検出を強制的に行 います。このオプションは必ずしも必要ではありません。というのも、Cirrus 製のチップセットは全てのクロック値が固定かつ同じ値だからです。
このオプションはプログラマブルクロックを有効にします。このオプションは Device セクションで指定しなければなりません。このオプションを使うと、 モードが使うクロックは自動的に選択されます。Clocks 行を指定してはいけ ません。このオプションは 320x200 のダブルスキャンモードに対して 12.5 MHz を使うことを可能にします。一部の周波数は不安定(スクリーンが「波打 つ」)かもしれない点に注意してください。安定だと保証できるのは(デフォル トのクロック値のように)テストを行った周波数だけです。
このオプションはリニアアドレッシングを有効にします。リニアアドレッシン グはフレームバッファ全体を上位アドレスのシステムメモリを越える部分にマッ プするもので、SVGA のバンク切り替えを不要にします。これにより 256 色モー ド時の性能は向上します。また、現在は 16bpp, 24bpp, 32bpp 時にはリニア アドレッシングが必要です。詳しくはセクション 4 を参照してください。
PCI バス用のチップ全てについて、リニアアドレッシングはデフォルトの操作 モードです。このような構成の場合、このオプションはリニアアドレッシング を無効にします。
このオプションはリニアフレームバッファの物理的なベースアドレスを設定し ます。このオプションは Device セクションで指定しなければなりません。 PCI でないカードでリニアアドレッシングを使う場合には、この指定が必要で す。
このオプションは使われなくなりました。
このオプションは、543x/5429 が BitBLT エンジンとやりとりをするときにメ モリマップト I/O を使うようにします。これにより、少し速くなります。 BitBLT エンジンを使わない時(例えば、"no_bitblt" 使用時)には、このオプ ションは無効です。
このオプションは、デフォルトの操作モードでメモリマップト I/O を使うチッ プに対して、メモリマップト I/O を使わないようにします。
このオプションはチップの機能であるハードウェアカーソルを無効にします。 カーソルがおかしい時には、このオプションを試しましょう。特に、5434/6 で 85MHz 以上のドットクロックを使う時にはこのオプションを試しましょう。 というのも、これらのチップはこのクロックではハードウェアカーソルのサポー トが完全ではないからです。
62x5 を使っている一部のノート PC における白色の最大値に関する問題を回 避するためのオプションです。
(BitBLT チップ全てにおいて)XAA を使っている時、このオプションは XAA に おけるピックスマップキャッシュを使わないようにします。これにより、描画 に関するバグの一部に対処できます。
XAA を使っている時、このオプションは XAA がハードウェアの色展開機能を 使わないようにします。このオプションも、描画に関するバグの一部に対処で きます。
800x600 の LCD で 640x480 表示を自動的に拡大する(水平・垂直方向に伸ば す)機能を無効にします。
PCI ベースのカードの性能調節機能を有効にします。この機能が有効ならば、 ドライバのコードは PCI バスでできる限り速くデータを送ろうとします。大 抵の場合このオプションは安全ですが、他の PCI デバイス(PCI のネットワー クカードやサウンドカード、SCSI コントローラ等)と組み合わせた時に問題を 起こすかもしれません。このオプションを選択して時は、より安全な方法(VGA コマンドキューのポーリング)が使われます。