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10. モードの問題

ET4000W32/W32i/W32p と ET6000 におけるアクセラレーション付きのドライバ は、少なくとも 1KB の作業用空間をビデオメモリ上に必要とします。したがっ て、アクセラレーションを使う場合には、1MB のカードでは 1024x1024 の仮 想解像度は使えないはずです。これは、2.25MB の ET6000 カードの場合、 24bpp 時には 1024x768 モードでアクセラレーションが使えないということで もあります。なぜなら、表示で全てのメモリが使われてしまうからです。

同じことが ET6000 のハードウェアカーソルでも言えます。ハードウェアカー ソルも空きのビデオメモリを 1MB 必要とします。これだけのメモリが利用で きなければ、ハードウェアカーソルは使用できません。

ET6000 でないカードの場合、高いドットクロック周波数を使うと、グラフィッ クス操作の性能に悪影響が出ます(ET6000 の場合は影響がずっと小さいか、全 く存在しません)。特に BitBlt 操作と、描画に使えるビデオメモリのバンド 幅がほとんど残っていない時に性能が悪くなります。メモリのバンド幅は、 RAMDAC が画面に表示するためにデータを吸い出す間に、データがメモリに送 り込まれる速度です。

ドットクロック値を高くすると(普通は高解像度と関連します)より多くのバン ド幅を使うので、フレームバッファに描画を行うためのバンド幅は少なくなり ます。アクセラレータが動作していると、データはいよいよ詰め込まれるよう になります。なぜなら、最近のアクセラレータは大量のバンド幅を使うことが できるからです(しかし、その代わりに高速に動作します)。色の深さが大きい と、さらに多くのバンド幅を必要とします。

メモリのバンド幅が足りず(この話題に関する別のセクションを参照してくだ さい)動作が遅くなったり画面の「不調」が起こった場合には、指定できるう ちで最も遅いドットクロック値を試してください。例えば 14 インチや 15 インチの画面で解像度を 800x600 とし、リフレッシュレートを高くし(ドット クロック値が 50MHz)、仮想解像度を大きく取るのは悪くない考えです。

Tseng チップは大抵メモリのバンド幅が(大変)良いことで知られています。で すから、問題が起こるのは高いクロック値の場合だけのはずです。

メモリが 1 MB の ET4000W32 で、76Hz の時に解像度を 1024x768 にする場合、 ドットクロック値を高く(85MHz)しても性能を上げるためには無意味です。描 画のためのバンド幅がほとんど残らなくなり、カードの動作がとても遅くなる でしょう。ドットクロックを 75MHz にすると 70Hz となり、この値なら問題 ないはずです。76Hz 時に 1024x768 を ドットクロック値 85MHz でサポート するモニタを使っている場合には、メモリ 1MB のカードはいずれにせよ貧弱 と言えます。

ET4000W32i と ET4000W32p は、2つのバンク間での「インタリーブ」を用いて メモリのバンド幅をほとんど倍(+70%)にするという特殊な機能を持っています。 これらのカードは 2MB にアップグレードすると大変効果があります。これは W32 カードや ET6000 カードには当てはまりません。


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