XF86Setup
プログラムや xf86config
プログラムを使って
マウスの設定を行う前には、インタフェースの種類とデバイス名、マウスのプ
ロトコルタイプを明らかにしておかなければなりません。マウス設定の考えら
れる組合せを闇雲に試すだけでは、どうにもならないでしょう。
最初に知っておくべきことはマウスのインタフェースのタイプです。これは マウスのコネクタを見れば分かります。シリアルマウスには、D-Sub メスの 9 ピンまたは 25 ピンのコネクタが付いています。バスマウスには D-Sub オス 9 ピンのコネクタか、円形の DIN 9ピンのコネクタが付いています。PS/2 マウスには小さい円形の DIN 6 ピンコネクタが付いています。マウスによっ ては、コネクタを他の型に変換できるアダプタが付属しているものもあります。 このようなアダプタを使う場合には、注目すべきなのはマウスとアダプタを組 合せた時に一番端になるコネクタだということを覚えておいてください。
次に決めるのは、与えられたインタフェースに対して使うデバイスノードです。 バスマウスと PS/2 マウスの場合には選択の余地はほとんどありません。バス マウスと PS/2 マウスに対して OS が用意しているデバイスノードはたぶん 1 つだけだからです。シリアルマウスを接続できるシリアルポートは複数個付い ていることがあります。
次のステップは、マウスが使う適切なプロトコルタイプを予想することです。 X サーバは与えられたマウスのプロトコルタイプを自動的に選択できる場合も あります。そうでない場合には、ユーザが手動で選択する必要があります。以 下のガイドラインに従ってください。
バスマウスと InPort マウスの場合、マウスの種類に関わらず必ず
"BusMouse"
プロトコルを使ってください。
OS によっては、バスマウスのプロトコルタイプに "Auto"
を使用で
きるものもあります。
PS/2 マウスの場合は、マウスの種類に関わらず必ず "PS/2"
プロト
コルを最初に試すべきです。どんな PS/2 マウスもこのプロトコルタイプで
動作するはずです。ただし、この指定では X 上でホイール等の追加機能は使
えません。
このプロトコルでマウスが動作することが確認できれば、"xxxPS/2"
プロトコルのいずれか1つを選んで指定すると良いでしょう。これにより、X
サーバの追加機能が利用可能になります。しかし、このような PS/2 マウスの
サポートは X の下で動作する OS の特定の挙動を想定しているため、必ずし
も期待されたように動作しないことがあります。この理由により、一部の
プラットフォームでは特定モデルの PS/2 マウスが全てサポートされていない
ことがあります。
OS によっては、PS/2 マウスに対するプロトコルタイプとして
"Auto"
をすると、X サーバは自動的に調整を行います。
XFree86 の X サーバは、新旧含め多くの種類のマウスをサポートしています。 比較的新しい型のマウスならば、PnP COM デバイスの仕様に従っているかもし れません。このような場合には、X サーバはマウスに対して適切なプロトコル タイプを自動的に検出することができるかもしれません。
プロトコルタイプに "Auto"
を指定して X サーバを起動してくださ
い。マウスが PnP マウスでないか、適切なプロトコルタイプを決められなけ
れば、X サーバは以下のようなメッセージを出力して異常終了します。
xf86SetupMouse: Cannot determine the mouse protocol
X サーバがこのようなエラーメッセージを出力した場合には、プロトコル の種類を手動で指定する必要があります。以下のリストから1つを選択してく ださい:
GlidePoint
IntelliMouse
Logictech
Microsoft
MMHittab
MMSeries
MouseMan
MouseSystems
ThinkingMouse
選択を行う時には、以下の経験則を覚えておくとよいでしょう:
"Logitech"
プロトコルは Logitech 製の古い型のシリアルマウス用
のプロトコルです。Logitech 製の新しいマウスでは、"MouseMan"
または "Microsoft"
を使ってください。"Microsoft"
プロトコルを
サポートしています。"Mousesystems"
プロトコルで動作する
かもしれません。このプロトコルで動作しなければ、"Microsoft"
プロトコルで動作するかもしれません。ただし、その場合には3番目のボタン
(中ボタン)は機能しないでしょう。
3ボタンのシリアルマウスは "Mouseman"
プロトコルでも動作するか
もしれません。この場合には3番目のボタンも期待通りに動くと思われます。"Microsoft"
プロトコルのことであり、「PC」や「3」は
"MouseSystems"
プロトコルのことです。"IntelliMouse"
プロトコル互換かもしれません。"IntelliMouse"
プロトコルでは動作しない場合、このマウスは普通の2ボタンまたは3ボタンの
シリアルマウスとして使わなければなりません。"Auto"
プロトコルの指定でマウスが動作しているように見えるけれ
ど、マウスの機能の全部は利用できない場合、その原因は X サーバがその型の
マウスをネイティブでサポートしておらず、PnP の情報に従って「互換」プロ
トコルを使用しているためです。
この疑いがある場合には、レポートを <XFree86@XFree86.Org> ま で送ってください。
マウスを USB ポートに接続していれば、OS 固有のプロトコル(後述)によって
サポートするか、あるいは "usb"
プロトコルによって
汎用ヒューマンインタフェースデバイスとしてサポートできます。
OS によっては、マウスの型や種類にかかわらず、標準化されたプロトコルを
デバイスドライバが用いていることがあります。例えば、SVR4 では
"Xqueue"
プロトコルがサポートされていることがあります。
FreeBSD のシステムでは、システムのマウスデバイス /dev/sysmouse
は "SysMouse"
プロトコルを用います。詳しくは、本ファイル中の
「OS 別のマウスサポート」の節をご覧ください。